武蔵野徳洲会病院

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診療科・部門案内

泌尿器科

尿路結石と言っても、様々な状態があるため、当院では、2021年6月に尿路結石症24時間センターを開設しました。センター長には杏林大学名誉教授の奴田原紀久雄先生が着任されました。治療に際しては、充実した医療機器を用い、あらゆる尿路結石症の患者さまにも対応していく所存です。

尿路結石とは

尿路結石とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道に結石を生じる疾患です。
腎臓、尿管の結石は上部尿路結石、膀胱、尿道の結石は下部尿路結石と分類しますが、尿路結石の95%は上部尿路結石です。
泌尿器科疾患の中では、最も頻度の高い疾患の一つで、年間罹患率は上昇しています。

要因として、食生活や生活様式の欧米化、診断技術の向上、人口の高齢化などが考えられており、高齢の男性や閉経後の女性に多いとされています。
一つの原因で起こるわけではなく、尿路に通過障害や変形による尿流の停滞、長期臥床による骨吸収、慢性的な尿路感染、内分泌・代謝異常などの因子が考えられています。
また頻度は低いものの、遺伝性や薬剤性も挙げられます。

結石の大きさと症状の重篤さは一致しないことが多く、結石が尿管に嵌頓すると腹部や背部に突然激しい痛みや下腹部への放散痛が出現します。

夜間や早朝に起こることが多く、痛みは2~3時間続き、その間は数分おきに痛みが強くなるというように、痛みの強さに波があるのが特徴です。
また結石による刺激に伴って血尿や頻尿、尿流の途絶などの症状が現れる場合や、尿路感染を合併し、高熱や重篤な敗血症に至ることもあります。
尿管結石の自然排石率は、様々な報告がありますが5mm未満では約70%と小さいほど自然排石率が高く、排石までの時間が短いと言われています。

検査・診断

単純x線写真

簡便な検査ですが、径2mm以下やx線透過性の結石、腸管内のガスが多い場合、骨盤骨と重なる結石の場合は、確認が困難な場合があります。

超音波検査

拡張した腎盂、尿管を確認し通過障害の程度を知ることができ、結石を同定できる場合もあります。
また、膀胱内尿貯留は膀胱結石の原因のため、残尿の有無を評価できます。

CT

小さな結石やx線透過性結石や尿路の結石を診断するのに有用です。
また腎実質の変化や通過障害の程度もすることができ、頻用されています。

血液検査

尿酸値、カルシウム値、リン値、クレアチニン(腎機能)値などを測定し、代謝異常などのスクリーニングを行います。

結石分析

排石があり、これを採取できた場合には成分を分析することが有用です。大体はシュウ酸カルシウム結石ですが、リン酸カルシウム、尿酸結石などの場合があり、成分の同定は治療法選択の指針となります。

治療

画像診断で、自然排石が困難と判断された場合などは、砕石治療となります
砕石治療法としては、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、経尿道的尿管砕石術(TUL)、経皮的腎砕石術(PNL)、膀胱砕石術などによって治療します。

1.体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

体外から衝撃波エネルギーを結石に当てて、砂状に粉砕し、破砕片を尿とともに体外に排出させる治療です
治療時間は1.5時間程度の無麻酔ですので、日帰りでも行えます。

2.経尿道的尿管結石破砕術(TUL)

尿道から尿管鏡を挿入し、レーザーを用いて結石を砕石します。
当科ではホルミウムヤグレーザーを用いております。
麻酔は、腰椎麻酔ないしは全身麻酔下にお産のような体勢で行います。
手術後は、尿管ステントを留置してくることがあり、そのステントは退院後に外来で抜きます。

Ho:YAGレーザー装置

軟性尿管鏡

硬性尿管鏡

3.経皮的結石破砕術(PNL)

経皮的に腰背部より腎尿路に至る道を超音波で観察しながらつくり、そこから内視鏡を挿入し腎尿管の結石を砕石、抽石する手術法です。
大きな腎尿管結石に対し行われ、複数回にわたる場合や他の治療法などと組み合わせて行うこともあります。
麻酔は、全身麻酔下に行われます。

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