はじめに
当院は、日本麻酔科学会が認定する麻酔科認定病院です。日本麻酔科学会専門医6名、認定医1名が担当し、手術室スタッフと共に患者さんにとって安全な手術環境を提供できるようにしています。
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診療科・部門案内 section
診療科・部門案内
当院は、日本麻酔科学会が認定する麻酔科認定病院です。日本麻酔科学会専門医6名、認定医1名が担当し、手術室スタッフと共に患者さんにとって安全な手術環境を提供できるようにしています。
多くの手術では、痛みと大きなストレスを伴います。痛みとストレスは、手術後の回復にも大きな影響を与えることがあります。そこで、痛みを感じなくさせ、ストレスから患者さんを守ることが麻酔の役割です。麻酔は、手術が安全に行えるように、手術中の患者さんの全身状態を日常通りに維持することが最大の目的とした医療行為です。
手術前の診察、検査により患者さんの全身状態を把握し、安全に手術が受けられるように準備計画をします。手術中は呼吸・循環・麻酔状態などの全身状態を常に確認し、手術による侵襲から患者さんの体を守るための全身管理を行っています。麻酔方法としては、全身麻酔・伝達麻酔・硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔などがあります。患者さんの状態を総合的に判断して麻酔方法を決定します。また、手術後はできるだけ痛みを軽減できるよう疼痛管理を行っています。
近年、薬・麻酔器具・全身監視装置や麻酔技術の発展により、より安全に麻酔をかけることができるようになりました。また、ご高齢の方や重篤な合併症を持つ患者さんの麻酔も可能になりました。患者さんが安心して手術室にきていただけるように、安全で質の高い麻酔を提供できるよう、主治医・手術室スタッフと協力して行っています。
《絶食・絶水》
胃の中に食べ物や水分が残っていると、麻酔中に吐いてしまって、気管の中に入ることがあります。 このようなとき、重い肺炎を起こして、命を落とす危険性があります。 麻酔を開始する前の一定時間は、食べたり、飲んだりしないように指示がありますので、必ず指示を守るようにしてください。
《たばこ》
手術が決まったらすぐに禁煙をしてください。また、喫煙により手術の後の感染率が高くなり、傷口の治りが悪くなります。 たばこを吸っている方は、手術の後に咳や痰が多くなります。そのため、肺炎を起こしやすくなり、傷の痛みも強くなります。
禁煙に自信がない方は、禁煙外来もやっていますので利用してみてください。
風邪をひいて高熱が出たときなど、手術が延期や中止になる場合もあります。
小児では
食事や水分の制限をすると、不機嫌になったり、空腹やのどの渇きを訴えることもありますが、安全な麻酔のために指示を守ってください。
手術室の入り口で本人確認をします。手術室に入室後、図にあるように心電図や血圧計などの麻酔に必要な装置(モニター)をつけます。手術中や手術後にも、このモニター類を体につけていただきます。
全身麻酔と区域麻酔をそれぞれ単独で行う場合と、両者を併用するときがあります。
また、手術中の全身状態に応じて麻酔法を変更することもあります。
患者さんごとに、担当の麻酔科医が最も安全と考えられる麻酔法を選択します。
《1.麻酔を始めます》
鼻と口にマスクを当てて酸素を吸っていただきます。気持ちをゆったりとさせてゆっくり呼吸をして下さい。
意識をなくすためのお薬を点滴にいれると、いつの間にか眠ってしまいます。
《2.呼吸のチューブやマスクを挿入します》
酸素の通り道を確保するために、口からチューブを挿入します。その際、弱い歯やグラグラしている歯があるときには、 歯が欠けたり抜けたりすることがありますので、手術前にあらかじめお申し出下さい。
《3.手術が行われます》
手術中は、担当麻酔科医が患者さんの状態と手術の進行状況をみながら、麻酔の深さや人工呼吸の条件を適切に調節して、 最適の麻酔状態を保ちます。
小児では
点滴のあるお子様では、点滴からお薬を使って眠ってもらいます。 点滴のないお子様では、口に当てたマスクから眠たくなるガスを 吸ってもらいます。 これを吸うことにより1~2分程度の間に、完全に眠ってしまいます。 この後で点滴を入れることで注射の痛みはありません。 眠っていく過程で一時的にお子様が暴れることがありますが、深い麻酔状態になると自然に治まります。
《硬膜外麻酔》
硬膜外麻酔は、脊椎(背骨)の中にある脊髄のすぐ近くの硬膜外腔という場所に、 麻酔薬をいれて、手術部位の痛みを無くす、あるいは軽くする麻酔法です。
手術をする所に合わせて、背中のどこから麻酔薬をいれるかを決め、カテーテルという細い管をいれます。 このカテーテルから麻酔薬をいれて麻酔を行います。
カテーテルをいれるときには、背中をネコのように丸くして下さい。 消毒の後、背中に痛み止めを注射します。
区域麻酔と全身麻酔を併用することがあります。
また、手術後も、手術のときにいれたカテーテルから持続的に麻酔薬をいれることができ、痛みを抑えるのに大変有効です。 数日間、痛みを抑えるのに用いられたカテーテルは、必要が無くなれば抜きます。
《脊髄くも膜下麻酔》(下半身麻酔)
脊髄くも膜下麻酔では、細い針を使って脊髄液が満たされている場所に区域麻酔薬をいれ、脊髄を麻痺させます。
この麻酔が効いている間(3 ~ 6 時間)は、感覚が無くなり、足を動かせなくなります。
体位や消毒方法、最初の痛み止めの注射は硬膜外麻酔の場合と同じ方法です。 麻酔の効き目を確かめてから、手術が始まります。
手術後、まれに頭痛が起こることがあります。通常、数日間、安静にしていれば自然に治まります。
《末梢神経ブロック》
神経の走行に沿って麻酔薬を注射し、その領域の痛みをとる方法です。 麻酔の範囲は、硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔より狭く、必要最小限にとどめられることが特徴です。
末梢神経ブロックのみでも短時間の手術を行うことができますが、通常は、全身麻酔と併用して手術後の痛み止めに利用します。
上肢の神経ブロックでは首の横側や脇の下、鎖骨の近くから針を刺します。 下肢の神経ブロックでは足の付け根やおしりから針を刺します。 超音波装置(エコー)や電気刺激、レントゲン装置、患者さんの感覚などで確認してから麻酔薬をいれます。
《歯が欠ける、抜ける》
呼吸のためのチューブやマスクを挿入する操作や、麻酔から覚めるときに歯をくいしばることにより、 グラグラした歯や義歯が損傷することがあります。
《喉の痛みやかすれ声》
声帯は気管にある膜で、声を出すのに使います。気管にチューブをいれるときや、長時間の人工呼吸で、声帯に少し傷がつき、 麻酔から覚めたあと、喉の痛みやかすれ声になることがあります。 術後に嗄声のある場合、その原因として披裂軟骨脱臼などの可能性があり、専門医の診断を必要とします。
まれに、この傷がもとで声帯肉芽腫(粘膜が盛り上がる)ができることや、声帯を動かす反回神経が麻痺することがあります。 このようなときは声を出しにくい、むせるといった症状があらわれ、回復までに時間がかかることがあります。
《肺炎(誤嚥性肺炎)》
麻酔中や麻酔直後は、胃の内容物が気管内や肺に入り、ひどい肺炎が起きることがあります。 そのため、手術前の絶食・絶水の指示は必ず守って下さい。
誤嚥性肺炎を起こしやすいのは、消化管に通過障害のある方や胃に食べ物が貯まっている方、 妊婦さん、お腹に大きな腫瘍のある方、外傷を受けたばかりの方などです。
《気管支痙攣(喘息発作)、喉頭痙攣》
吸入麻酔薬や喉にいれたチューブの刺激、あるいは使用薬剤のアレルギー反応で気管支痙攣(喘息発作)を起こす可能性があります。 喘息の持病がある方だけでなく、そういう病歴が無くても発作を起こすことがまれにあります。
咽頭痙攣とは、声帯が閉じたまま固定してしまい、一時的に呼吸ができなくなるものですが、 麻酔科医の適切な処置により回復します。
《悪性高熱症》
麻酔薬により筋肉が硬直したり、高熱が生じたりする病気です。 このような遺伝を持っている人は10万に1~2人ときわめてまれです。 血縁の方に麻酔でこのような異常反応を起こした方がいれば主治医あるいは麻酔科医に必ずお知らせ下さい。
《アレルギー》
麻酔や手術の消毒などで使用する薬が体に合わなくて、蕁麻疹があらわれたり、呼吸困難になったりすることがあります。
《肺塞栓(そくせん)症》
肺の血管に血栓(血のかたまり)などが詰まり、呼吸困難、胸痛、ときに心肺停止を引き起こす病気です。 「エコノミークラス症候群」と同じものです。一旦発症すると死亡する可能性が高い危険な病気です。 肺塞栓症が起こる主な原因は、下肢の血の流れがゆっくりになることによって、下肢の静脈に血栓ができること(深部静脈血栓症)です。 深部静脈血栓症は、長期間寝たきりの方、血液が固まりやすい病気の方、肥満、妊娠、経口避妊薬(ピル)の服用、 下肢の浮腫、心疾患、悪性腫瘍、脳卒中、喫煙者などでは危険性が高くなります。 また、腹腔鏡手術、下腹部手術、多発骨折、長時間の手術などで危険性が高くなります。 肺塞栓症を防止するため、弾性ストッキング着用、器械による下腿のマッサージなどを行います。
《頭 痛》
脊髄くも膜下麻酔では硬膜に針をいれますが、手術後に脳脊髄液がこの針穴から漏れ、脳圧が低下し、 激しい頭痛が起こることがあります。発生頻度は約0.5%(170~200人に1人)程度で、通常、 特別な治療をしなくても1週間程度で治まります。 また、硬膜外麻酔でも、針によって硬膜を傷つけてしまった場合には、 同様の頭痛が起きます。
《馬尾症候群・一過性神経徴候》
脊髄は腰椎上部までで、それより下の脊柱の中は馬尾といい、細い神経が縦に走っています。 脊髄くも膜下麻酔は馬尾の部分に麻酔薬をいれるので、通常、太い脊髄は傷害を受けません。 しかし、1万人から5万人に1人程度の頻度で、下半身の知覚異常、運動障害、膀胱直腸障害など(馬尾症候群)を生じることがあります。 脚の痛みや知覚異常は、通常、24~72時間以内に回復します(一過性神経徴候)が、中には症状が長期間持続する場合もあります。
《硬膜外血腫、硬膜外膿瘍》《脊髄くも膜下血腫、脊髄くも膜下膿瘍》
血液を固める機能や血小板に異常がある場合、硬膜外麻酔で、背中に針を刺すときやカテーテルを抜くときに、 硬膜の外に血腫(血のかたまり)ができて、神経を圧迫することがあります。1万人に1人の頻度で起こるといわれています。 硬膜外膿瘍は、カテーテルを介して細菌が硬膜外腔に侵入し、発生するうみのかたまりです。血腫と同様に、 神経を圧迫して感覚や運動を麻痺させることがあります。
また、脊髄くも膜下麻酔でも、脊髄くも膜下血腫や脊髄くも膜下膿瘍ができることがあります。
《排尿困難》
硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔の効果が切れてしばらくの間、尿意を感じても尿が出ず、 尿道に管を入れて尿を排泄させなければならないことがあります。通常は1〜2回の処置で自然に治ります。
《吐き気、嘔吐、かゆみ、足のしびれ》
痛み止めの薬がこのような症状を起こす可能性があります。 症状が強くて我慢できないときは、看護師や主治医にお知らせ下さい。
《区域麻酔のカテーテル切断》
まれにカテーテルが切れて体内に残ることがあります。体内に残ったカテーテルを取り出す手術を行う場合があります。
《麻酔が効かない、麻酔が切れてきた》
手術に必要な範囲まで麻酔が効いていないために痛みが強くて我慢できない、 あるいは手術が予定より長引いて麻酔効果が消えることがあります。この場合は全身麻酔に変更になることもあります。
《局所麻酔薬中毒》
硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔、末梢神経ブロックに使用する局所麻酔薬の血液中の濃度がかなり上昇してしまうと、 局所麻酔薬中毒となることがあります。不整脈や痙攣、意識障害などを生じることがあります。
《上肢の末梢神経ブロックによる呼吸困難》
上肢の神経ブロックでは、横隔膜の神経麻痺や気胸によって、呼吸困難となることがあります。 横隔膜の神経の麻酔効果がなくなるまで人工呼吸を必要としたり、胸腔にドレナージチューブを入れなければならない場合があります。
(詳しい麻酔の流れや麻酔に伴う合併症については、日本麻酔科学会HP内の『麻酔を受けられる方へ』 もご参照ください)
総手術件数 | 669件 |
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麻酔科管理症例 | 565件(84.5%) |
全身麻酔 | 496件 |
伝達麻酔 | 68件 |
総手術件数 | 1,266件 |
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麻酔科管理症例 | 1,019件(80.5%) |
全身麻酔 | 998件 |
伝達麻酔 | 581件 |
総手術件数 | 1,730件 |
---|---|
麻酔科管理症例 | 1,523件(88.0%) |
全身麻酔 | 1,489件 |
伝達麻酔 | 867件 |
総手術件数 | 2,331件 |
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麻酔科管理症例 | 2,004件(86.0%) |
全身麻酔 | 1,966件 |
伝達麻酔 | 1,202件 |
総手術件数 | 2,667件 |
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麻酔科管理症例 | 2,280件(85.5%) |
全身麻酔 | 2,269件 |
伝達麻酔 | 1,213件 |
このように当院では、安全に手術が行われるようにほとんどの症例を麻酔科が管理しています。
また術後の疼痛管理のため、積極的に伝達麻酔(超音波ガイド下神経ブロック)を行っています。
また、2023年より禁煙外来を始めています。
役職 | 主任部長 |
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専門分野 | 臨床麻酔、伝達麻酔、日帰り麻酔 |
資格・専門医 | 麻酔科標榜医 日本麻酔科学会認定医 日本専門医機構認定麻酔科専門医 日本麻酔科学会指導医 臨床研修指導医講習会終了 医療安全管理者 医療ガス安全管理者 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 慢性疼痛研修修了 TMAT(徳洲会国内災害医療支援トレーニングコース修了) 日本禁煙学会禁煙サポーター |
出身大学 | 信州大学卒 |
専門分野 | 臨床麻酔 |
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資格・専門医 | 麻酔科標榜医 日本専門医機構認定麻酔科専門医 日本麻酔科学会指導医 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 |
出身大学 | 日本大学卒 |
専門分野 | 臨床麻酔 |
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資格・専門医 | 麻酔科標榜医 日本専門医機構認定麻酔科専門医 日本麻酔科学会指導医 日本区域麻酔検定試験合格 日本医師会認定産業医 臨床研修指導医講習会修了 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 日本禁煙学会認定指導者 |
出身大学 | 福島県立医科大学卒 |
専門分野 | 臨床麻酔 |
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資格・専門医 | 麻酔科標榜医 日本麻酔科学会認定医 日本医師会認定産業医 |
出身大学 | 岡山大学卒 |
専門分野 | 臨床麻酔 |
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資格・専門医 | 麻酔科標榜医 日本麻酔科学会専門医 |
出身大学 | 弘前大学卒 |
専門分野 | 臨床麻酔 |
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資格・専門医 | 麻酔科標榜医 日本専門医機構認定麻酔科専門医 日本麻酔科学会指導医緩和ケア研修会終了 臨床研修指導医講習会終了 医学博士 |
出身大学 | 東京医大卒 |
専門分野 | 臨床麻酔 |
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資格・専門医 | 麻酔科標榜医 日本専門医機構認定麻酔科専門医 日本麻酔科学会指導医 臨床研修指導医講習会終了 |
出身大学 | 聖マリアンナ医科大学卒 |